劉重來・徐適端[主編]『《華陽國志》研究』(巴蜀書社)


《華陽國志》研究』は『華陽國志』のこれまでの中国国内の研究、特に下記の両書(劉琳『華陽国志校注』、仁乃強『華陽国志校補図注』)を土台にして『華陽國志』研究の状況、著者である常據の思想、『華陽國志』で論じられている経済発展状況、文化、民俗、人物を取り上げる。また、付録として『華陽國志』の版本についても論じられ、大変興味深い内容。これら土台となっているのは1985年〜2003年頃までにかけて学術誌に発表された論文であり、各章毎に1〜2名が分担して執筆している。

 『華陽國志』本文自体は記載されていないため、本書引用の分量から考慮して、本文参照のために劉琳『華陽国志校注』は手元に置いておいた方が良いかもしれない。ただし劉琳は簡体字繁体字を欲するなら仁乃強の方が良い。