2012-01-01から1年間の記事一覧

班固『白虎通』巻九 姓名 (3)

人必有名何?所以吐情自紀,尊事人者也。《論語》曰:「名不正則言不順。」三月名之何?天道一時,物有其変,人生三月,目煦亦能咳笑,与人相更答,故因其始有知而名之。故《礼服伝》曰:「子生三月,則父名之于祖廟。」於祖廟者,謂子之親廟也。明当為宗廟…

班固『白虎通』巻九 姓名 (2)

所以有氏者何?所以貴功徳,賎伎力。或氏其官,或氏其事,聞其氏即可知其徳,所以勉人為善也。或氏王父字何?所以別諸侯之後,為興滅国、継絶世也。王者之子称王子,王者之孫称王孫,諸侯之子称公子,公子之子称公孫,公孫之子各以其王父字為氏。《論語》有…

班固『白虎通』巻九 姓名 (1)

人所以有姓者何?所以崇恩愛,厚親親,遠禽獣,別婚姻也。故紀世別類,使生相愛,死相哀,同姓不得相娶者,皆為重人倫也。姓者,生也。人稟天氣所以生者也。《詩》云:「天生蒸民。」《尚書》曰:「平章百姓。」姓所以有百者何?以為古者聖人吹律定姓,以紀…

マイケル・サンデル『公共哲学』(ちくま学芸文庫)

asin:4480093877:detail2010年にNHKで放映されたサンデル教授の白熱教室は、私も深夜に視聴したことを覚えている。様々なテーマをわかりやすく提示し、議論を導いていく様子は本当に視聴のし甲斐があった。しかし、一方でサンデル教授の思想は一体何であろう…

ブルーノ・ラトゥール『科学論の実在―パンドラの希望』(産業図書)

asin:4782801467:detailサイエンス・ウォーズという科学哲学における論争の中心メンバーの一人、ラトゥールの著作。本書のきっかけは友人の『あなたは実在を信じますか?』という問いであったという。それはつまり「主体‐客体」という二分法によるモダニズム…

スチュアート カウフマン『自己組織化と進化の論理』(ちくま学芸文庫)

asin:4480091246:detail生命はどのように誕生し、そして進化したか。それが本書のテーマである。序盤は生命誕生の所以を考察し、中盤に入ると進化の過程を解き明かす。そして終盤ではそれらによって明らかになった自己組織化の理論を用いて我々の日常生活や…

桓寬『鹽鐵論』本議第一 (4)

文學曰:「古者,貴以徳而賤用兵。孔子曰:『遠人不服,則修文紱以來之。既來之,則安之。』今廢道徳而任兵革,興師而伐之,屯戍而備之,暴兵露師,以支久長,轉輸糧食無已,使邊境之士饑寒於外,百姓勞苦於内。立鹽、鐵,始張利官以給之,非長策也。故以罷…

M.J.アドラー、C.V.ドーレン『本を読む本』(講談社学術文庫)

本を読む本 (講談社学術文庫)作者: J・モーティマー・アドラー,V・チャールズ・ドーレン,外山滋比古,槇未知子出版社/メーカー: 講談社発売日: 1997/10/09メディア: 文庫購入: 66人 クリック: 447回この商品を含むブログ (322件) を見る本書は読書の方法につ…

金子修一『中国古代皇帝祭祀の研究』(岩波書店)

asin:4000238353:detail金子修一氏の皇帝祭祀・宗廟制度、即位儀礼に関する論考。あまり類似研究は見掛けない。古代と題する割には唐代までがっちりカバーしているので、人によっては本書の一部分だけしか必要ないかも知れない。私のような三国時代にしか興…

渡邉将智「政治空間よりみた後漢の外戚輔政―後漢皇帝支配体制の限界をめぐって」(『早稲田大学大学院文学研究科紀要 第4分冊』56, 59-75, 2010)

http://ci.nii.ac.jp/naid/40018797612この論文の主題は後漢時代の和帝期以後、皇帝権力の弱体化を「空間」の概念を用いて論じることにある。渡邉氏は後漢時代において皇帝の補政を二段階で区分する。 光武帝〜章帝期の内戚補政の時代 和帝期以後の外戚・宦…

劉重來・徐適端[主編]『《華陽國志》研究』(巴蜀書社)

『《華陽國志》研究』は『華陽國志』のこれまでの中国国内の研究、特に下記の両書(劉琳『華陽国志校注』、仁乃強『華陽国志校補図注』)を土台にして『華陽國志』研究の状況、著者である常據の思想、『華陽國志』で論じられている経済発展状況、文化、民俗…

王仲牽『金泥玉屑叢考』(中華書局)

この『金泥玉屑叢考』は先秦〜宋(趙氏)に至までの主要物資の貨幣価値に関して史書などから抜き書きし、ひたすら列挙・分類した代物。ひたすらデータを列挙しているので、通読して面白い代物ではない。何か気になったデータを参照する際に便利。所謂二次文…

海上知明「平知盛と「海軍」戦略―軍記物語に見いだされる戦略原則」(戦略研究学会編『戦略研究 第5号』芙蓉書房出版、2007年、p.69-80)

日本流の戦争方法 (年報戦略研究)作者: 戦略研究学会出版社/メーカー: 芙蓉書房出版発売日: 2007/11メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 20回この商品を含むブログ (3件) を見る今年のNHK大河ドラマで平清盛が主人公ということなので、テレビは見ていないけ…

角田和弘「E.H.カーの『国際秩序』構想―平和的変革とその失敗」(戦略研究学会編『戦略研究 7』芙蓉書房出版、2009年、p.119-136)

戦略研究 第7号 インテリジェンス作者: 戦略研究学会出版社/メーカー: 芙蓉書房出版発売日: 2009/12メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 2回この商品を含むブログを見るこの論文はE.H.カーの主著である『危機の二十年』やその前後にE.H.カーが雑誌に投稿し…

E.H.カー『危機の二十年―理想と現実』(岩波文庫)

危機の二十年――理想と現実 (岩波文庫)作者: E.H.カー,原彬久出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2011/11/16メディア: 文庫購入: 3人 クリック: 44回この商品を含むブログ (38件) を見る本書は国際政治学の古典とも謂うべき地位を確立している。本書は1919年か…

中村喬『中国の食譜』(東洋文庫)

中国の食譜 (東洋文庫)作者: 中村喬出版社/メーカー: 平凡社発売日: 1995/11/01メディア: 単行本この商品を含むブログを見る中国の食事、とは言っても宋元時代の食事について記載された本を訳したもの。所謂、昔の料理レシピである。とは言っても、今のよう…

梁過『現代中国「解体」新書』(講談社現代新書)

現代中国「解体」新書 (講談社現代新書)作者: 梁過出版社/メーカー: 講談社発売日: 2011/06/17メディア: 新書 クリック: 4回この商品を含むブログ (7件) を見る現代中国を読み解く63キーワードをピックアップ。そして各キーワードごとに3,4ページ前後の分量…

桓寬『鹽鐵論』本議第一 (3)

文學曰:「孔子曰:『有國有家者,不患貧而患不均,不患寡而患不安。』故天子不言多少,諸侯不言利害,大夫不言得喪。畜仁義以風之,廣德行以懷之。是以近者親附而遠者悦服。故善克者不戰,善戰者不師,善師者不陣。修之於廟堂,而折沖還師。王者行仁政,無…

班固『白虎通』巻一 爵 (9)

父在稱世子何?繋于君也。父殁稱子某者何?屈于尸柩也。既葬稱小子者,即尊之漸也。踰年稱公者,緣民之心不可一日無君也。緣終始之義,一年不可有二君也。故踰年即位,所以繋民臣之心也。三年然後受爵者,緣孝子之心,未忍安吉也。故《春秋》:「魯僖公三十…

桓寬『鹽鐵論』本議第一 (2)

大夫曰:「匈奴背叛不臣,數為寇暴於邊鄙,備之則勞中國之士,不備則侵盗不止。先帝哀邊人之久患,苦為虜所系獲也,故修障塞。飭烽燧,屯戍以備之。邊用度不足,故興鹽、鐵,設酒榷,置均輸,蕃貨長財,以佐助邊費。今議者欲罷之,内空府庫之藏,外乏執備之…

班固『白虎通』巻一 爵 (8)

大夫功成未封而死,不得追爵賜之者,以其未當股肱也。《春秋穀梁傳》曰:「追錫死者,非禮也。」《王制》曰:「葬從死者,祭從生者」,所以追孝繼養也。葬從死者何?子無爵父之義也。《禮中庸》記曰:「父為大夫,子為士,葬以大夫祭以士;子為大夫,父為士…

桓寬『鹽鐵論』本議第一 (1)

前漢の昭帝期の専売制に関する議論を纏めた『鹽鐵論』を題材とします。現在進めている『白虎通』と並行して取り上げていこうと思います。基本的には今の『白虎通』と同じ感じで進めていきます。 惟始元六年,有詔書使丞相、御史與所舉賢良、文學語。問民間所…

班固『白虎通』巻一 爵 (7)

爵人于朝者,示不私人以官,與衆共之義也。封諸侯于廟者,示不自專也。明法度皆祖之制也,舉事必告焉。《王制》曰:「爵人于朝,與衆共之焉。」《詩》云:「王命卿士,南仲太祖。」《禮祭統》曰:「古者明君,爵有德必于太祖。君降立于阼階南,南面向,所命…

班固『白虎通』巻一 爵 (6)

庶人稱匹夫者,匹,偶也。與其妻為偶,陰陽相成之義也。一夫一婦成一室。明君人者,不當使男女有過時無匹偶也。《論語》曰:「匹夫匹婦。」 庶人のことを「匹夫」と称することの由来。匹夫の匹は「偶」、つまり陰陽(この場合は夫と妻)が対となることを意味…

班固『白虎通』巻一 爵 (5)

婦人無爵何?陰卑無外事,是以有三從之義:未嫁從父,既嫁從夫,夫死從子。故夫尊于朝,妻榮于室,隨夫之行,故《禮郊特牲》曰:「婦人無爵,坐以夫之齒。」《禮》曰:「生無爵,死無謚。」《春秋》録夫人皆有謚,夫人何以知非爵也?《論語》曰:「邦君之妻…

谷川道雄『増補 隋唐帝国形成史論』(筑摩書房)

隋唐帝国形成史論作者: 谷川道雄出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 1998/01メディア: 単行本 クリック: 9回この商品を含むブログ (1件) を見る著者である谷川氏は『六朝貴族制研究』の著者である川勝義雄氏ととワンセットで語られるが、実のところ私は谷川氏…

アダム・スミス『国富論(上)』(日本経済新聞社出版局)

国富論 国の豊かさの本質と原因についての研究(上)作者: アダム・スミス,山岡洋一出版社/メーカー: 日本経済新聞社出版局発売日: 2007/03/24メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 43回この商品を含むブログ (26件) を見る上下2巻に分かれているうちの上巻は…

経済学書を少し読もう

今まで記事を書いていて痛切に感じたのは、私自身が経済学に非常に疎いことだ。興味関心があって経済学の本を読んだことは過去にあったが、殆ど今は役に立っていないと感じざるを得なかった。その為、今週は少し毛色を変えて経済学の本を中心に読んでいき、…

後漢時代のお給料

『後漢書』百官志には後漢成立間もない建武二十六年の官僚の給料が掲載されている。給料のことを「奉」と称し、基本的には斛単位で表現される。実際は半銭半穀だったと記されており、穀物だけで支給されたわけではないようだ。尚、後漢時代は一斛=19.8L(参…

建安十二年の論功行賞について

十二年春二月,公自淳于還鄴。丁酉,令曰:「吾起義兵誅暴亂,於今十九年,所征必克,豈吾功哉?乃賢士大夫之力也。天下雖未悉定,吾當要與賢士大夫共定之;而專饗其勞,吾何以安焉!其促定功行封。」於是大封功臣二十餘人,皆為列侯,其餘各以次受封,及復…